先日久方ぶりにお客様からご連絡がありました。以前ご自宅の部分リフォームをされた方で、今度はまたほかの部分をリフォームしたい、他の部分をほかの業者さんでリフォームしたけれど、今度は水回りだからやはり女性にお願いしたい、というお話でした。(なお女性だからどうなのかは私自身はあまり意識していないのですがお客様からはそう言ってお仕事を頂くことはよくあります。不思議ですね)

慎重な方で、以前当社に依頼の時も6社の中から選んだというもの。昨年のリフォームは最大手ネット検索3社紹介の相見積で選んだそうで、そこもうちに似ている感じでよかったと。でも図面を描かないところで記録がない、とも。

今馴染みの業者に見積頼んだがなかなか上がってこない、メーカーが業者指定、高圧的な態度、現調は5分だけ、というのに不安を感じている。

当社から年賀状が来たので以前のリフォームが楽しかったのを思い出し、以上の経緯で引き受けてもらえるか?工事は待つけど見積もりが早くもらいたい、概算でもよい、ということでした。

 

その方とお話していて今更ながらはっきりと気付かされました。

お客様にとってリフォームを考えるのは楽しい作業で、自分の希望を聞いてほしいし、素人だから無理なことを言っている時はその理由やその意図を組んで活かす方向でアイデアを出してほしいのだと。

 

一緒に考える、という作業は、簡単なようで、実は難しいと感じています。

どれだけその方の事を考えているか、その方がどういう住まいがいいと思っているか、そのためにどういう提案があるか、ということが試されるからです。

昔ながらの設計の大先生は、こういうのがいいんだ、と先生の案だけで進んでしまうことがあり、

疑問に思っても口に出せる雰囲気ではなかったとおっしゃる方がいました。

 

いくら設計者がいいと思っても説明不足で納得できなかったり活かせなかったりしては意味がなく、

またその家にとって意味があると思えない考えではいけないと思っています。

しかし、何もコミュニケーションをとらずに以心伝心出来るはずがないのですから、

やはり打ち合わせは必要で、どちらにとっても「いいからやれ」というのはうまい仕事にはならないように思います。

 

お客様は施主・建築主の立場から、我々は設計者・施工者の立場から、

一緒によりよい住まいを考えていければと思います。

 

有限会社オリガミックアーキテクチャー